ナイロン100℃『わが闇』
スカパーのシアターテレビジョンはいつもいつの間にか始まっていて、なかなか最初からみれないのですが、この作品とはばっちりタイミングが合いました。
娘の才能に嫉妬する作家。
溜め込んだものを小説で発散する長女。
気のふれた母親。
子供を火事で亡くした次女。
火事の原因をつくった次女の夫。
不倫の挙句失踪する女優の三女。
不倫して出て行く作家の後妻。
作家の映画を撮ろうとするヒモ。
そのヒモを飼う女性プロデューサー。
映画より女が大切なカメラマン。
長女に惚れる編集者。
人を噛む編集者の妹。
作家に人生を捧げて尽くす書生。
こんな嫌な三姉妹物語は見たことありません。
もちろん抜群に面白いんですよ。
題材的にはケラというより松尾スズキっぽいんですが、それをケラが書くとこうなるというか、似て非なる、いや非のようで似てるのか、ともかくこの二人は同じ高みから視ているのでしょう。
登場人物の中にはとてつもなく嫌な奴が何人かいるんですが、それも憎みきれない、腹は立つが同情も禁じ得ないような絶妙な描き方をされています。
これは役者が上手いのかもしれませんが、やはり一流作家にしか持てない視点だと思います。
こういう悪役が出てくる作品にはハズレはありません。
なにしろ結末が素晴らしい。
物語としての結末をあえて描いていないのです。
それでいて後味は悪くない。
「書いたって予定調和になるようならそれ以上書くべきではないのだ」
とかいったことを京極夏彦が筒井康隆との対談で語っていたそうです。
とはいえそれは物凄い高等技術のような気がしますね。
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